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過去の受賞結果

第4回「ファミリー・ビジネス大賞」受賞企業(2010年)

ファミリー・ビジネス大賞 受賞者

ファミリー・ビジネス大賞

株式会社 虎屋 (和菓子の製造販売、東京都港区、1520年代創業、17代目社長)
URL: http://www.toraya-group.co.jp/

◆ 企業概要:

室町時代後期、京都で創業。後陽成天皇の御世(1586~1611)より御所の御用を承る。虎屋では黒川円仲(1635没)を中興の祖としており、これを初代と数え、現在は17代目の黒川光博氏が当主である。
その歴史は非常に長く、井原西鶴『諸艶大鑑』(1684)、『京羽二重』(1685)、京都妙心寺『正法山誌』等の文献にも、虎屋の名前が残されている。

明治2年、都が東京へ遷ると、御所御用を勤めていた虎屋は明治天皇とともに東京へ進出することを決める。当時の東京では、諸大名が江戸屋敷を引き上げたことにより、多くの商人が上顧客を失い、また幕府御用菓子屋を勤めた店も廃業していた。また明治に入ると、文明開化により、洋菓子やパンが普及しはじめており、それまでとは異なる混沌とした舞台への進出であった。

東京に進出した後は、御所御用を勤めながらも、新聞広告による拡販戦略、注文販売から店頭販売の開始、戦後の株式会社化、昭和37年(1962)よりデパート出店を経て現在に至る。
また、虎屋には「掟書」(1805)という店に勤めるものが守らなければならない基本的な姿勢や考え方、行動規準をまとめたものが残されているが、老舗には珍しく、家訓と呼ばれるものを持たない。

このように、虎屋は老舗と呼ばれるが、昔ながらのやり方を続けているわけではなく、革新を継続させることで伝統を積み重ねてきた。経営が順調である時期に、あえて製造方法や味の見直しといった改革を実施してきたことも特徴的である。
虎屋は、和菓子を通した文化の継承にも積極的であり、その歴史を伝えてきた多くの品々や和菓子に関わる文書・資料の保存と整理を目的に虎屋文庫を創設(1973年)。この文庫は、和菓子の歴史を解明し歴史を伝える専門職を常勤させていることからも、文化に対する高い意識がうかがえる。

◆ 総合評価:
  • ファミリー・ビジネスの良さを生かした組織
    • 虎屋は「店」というアットホームな雰囲気を大切にしている。社員も家族的であり、新入社員の親族も会社をたずねてくる事がある。こうした家族的な組織はファミリー・ビジネスとしての風土があるからこそ醸成できるものである
  • 事業と理念の継承
    • 古くから長子相続を基本としている。現当主光博氏は先代より事業を引き継ぐ際、「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」という理念を受け継いだ。一貫して高品質な和菓子を作り続け、如何にお客様に気持ち良く買って頂くかということを追求している
    • 「人」を大切にし、従業員が仕事をすることに満足しているか、従業員の家族も含めて虎屋で仕事をして良かったと思えるかを常に念頭に置いた経営を心掛けている
    • 「egg21」という人事制度により、個人の夢をサポートする為に時間、資金を提供。その他、子女教育休暇として家族の為の休暇制度も整備
  • 長い伝統の継承と革新の継続
    • 虎屋の歴史は革新の歴史でもあり、それは「味」と「商い」を根本から問い直すと共に、計数的、論理的思考を取り入れた改革に取り組んでいることからも分かる
    • また、海外展開やカフェ事業の展開などの新しい試みにも積極的である。その反面変えないもの、つまり品質への拘りは普遍のものとして貫かれている
  • 和菓子を通した社会貢献(文化の継承)
    • 1973年に虎屋文庫を創設。和菓子の歴史を解明し歴史を伝える専門職を配置

ファミリー・ビジネス優秀賞

セキ株式会社
(印刷業・紙卸売業・出版・デザイン他、愛媛県松山市、1908年創業、3代当主)
URL: http://www.seki.co.jp/

◆ 企業概要:

セキ株式会社は、明治41年、地場産業の手漉き和紙の販売を行っていた関定(さだむ)氏により、関定商店として創業。大正年間には四国で初めてオフセット印刷を開始している。昭和20年の戦災の際、地域の印刷業界の世話人として同業他社の疎開を優先したため、ただ一社焼失したが、これが同社の信用をさらに高めることとなり、戦後直ちに操業を再開、2代宏成(ひろしげ)氏により個人事業であった関和洋紙店の事業を引き継ぎ、昭和24年に株式会社化する。先端設備と印刷技術、デジタル技術、コンテンツ制作ノウハウ、さらには営業体制において全国有数の体制を確立し、中・四国を中心に関東、関西、東海において確固たる基盤を築いてきた。

同社は、印刷業として将来を見据え常に先進的な取り組みをしている。世界初となるカレンダー専用4色輪転印刷加工機の導入、日本初となる「印刷品質管理装置」を装着した両面兼用8色印刷機の導入等技術面での投資に躊躇を見せていない。また、デジタル化への対応も迅速で、1982年のマックDTP 誕生導入から現社長啓三氏が就任する昭和63年までの間に次々と対応策を打ち出している。現在、4代目となる子息は、アメリカでMBA取得、外資系企業での経験を経て、一昨年から松山本社で印刷物とweb、モバイルを連動させたクロスメディアマーケティング事業に従事している。

大手広告代理店の手が届かないニッチな地域活性の分野にも力を入れている。たとえば、タウン情報誌の企画から出版が挙げられ、全国初のタウン情報誌(昭和48年の創刊の『ながの情報』と言われている)が誕生した2年後の昭和50年には企画デザイン部門を子会社として独立させ、月刊誌「タウン情報まつやま」を創刊、出版・広告代理事業に進出、印刷はセキ株式会社で担当するという体制を確立。こうした様々な雑誌の企画・発行は同社に安定的な印刷需要をもたらしている。

地域貢献活動にも積極的に取り組んでいる。芸術文化活動への協力をはじめ、平成9年には地域の方々また松山道後温泉を訪れる人々のために、セキ美術館を開設している。

情報革命とデジタル化の進展は同社に新たなステージを創りだし、洋紙流通、印刷、さらにメディアミックスへと「情報コンテンツ加工」が同社の新たなキーワードである。そのために、同社は、未来のビジョンを鮮明に描きだし確固たる戦略を持つことが21世紀を勝ち抜く条件であると考え、積極的な事業展開を推進し高い成果を上げている。

◆ 総合評価:
  • 堅実経営を旨とし、利益は地域貢献活動へ還元
    • セキ美術館設立、タウン情報誌の企画・発行、済生会やボーイスカウトへの協力 等
  • 環境問題への取り組み
    • 古紙100%のセキオリジナルエコペーパー「再生グリーンS シリーズ」などの再生紙や非木材紙、また大豆油インキの使用により環境に配慮した印刷物の作成
    • 国際的な森林認証制度であるFSC認証(Forest Stewardship Council)、PEFC認証(Program for Endorsement of Forest Certification Schemes)の木材の加工・流通を対象としたCOC認証取得
  • 変化の激しい業界への対応
    • 同社は業界の変化を「脅威」ではなく機会ととらえ、戦略的に主体的なアクションをとっている企業といえる。印刷業は異業種との関係が多く、特に老舗ファミリー・ビジネスがその中核に常に革新を求め続ける経営姿勢は高く評価できる

選考過程

選考対象企業: 95社
審査経過 : FB企業選考部会 - 2010年5月22日
- 2010年6月19日
- 2010年7月17日
- 2010年9月18日
審査委員会 - 2010年9月25日
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書籍紹介

ファミリービジネス永続の戦略

『ファミリービジネス 永続の戦略―同族経営だから成功する』

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